レジリエンスを鍛える20のレッスン、親子で育てる折れない心|子どもが幸福になるために親がしてあげれること

 

「親子で育てる折れない心」はポジティブサイコロジースクール代表の久世浩司さんが書いた本です。

子どもを持つ親すべてに役立つ本だと思います。

私は、3・4年前大学の精神保健の勉強をしているときに、レジリエンスという言葉を初めて聞きました。

精神保健の世界では知っていて当然のことなのですが、普通の人はテレビなどで聞いたことのある人は別として、ほとんどの方が知らないのではないでしょうか。

ここでは本の紹介をしながらレジリエンスについて簡単に書いていきます。

レジリエンスに関する本はほかにもたくさんありますが、親が子どものためにレジリエンスを身につけさせたいと思ったのならこの本1冊あれば十分です。

この本はレジリエンスが何なのかを書いてあるだけでなく、どうすれば子供にレジリエンスをつけることができるのかについても分かりやすく書かれています。

また、レジリエンスを身につけさせるだけでなく、良好な親子関係を築くためにも・親の人間関係に対する考え方の改善にも役立つ1冊です。

また、発達障害を抱えている子どもとの関係改善にも十分役立つと思います。

間違いなく現在市販されている本の中でNo1だと私は思っています。購入するのであればこれにしましょう。

本の目次

はじめに

「はじめに」では、こどもが幸せな未来を手に入れるために何が必要なのかについて書かれています。それは、つまずいたときに落ち込まず、へこまず、前向きになることが大切なのだそうです。

こどもがつまずく例として

  • テストやスポーツの成績が悪く、気持ちが落ち込んで、しばらくクヨクヨしている。
  • 理由もなくイライラし、友達にからかわれるとキレてケンカ寸前になる。
  • 何かチャレンジする場面で「自分には無理」と消極的にあきらめてしまう。
  • 友達や兄弟と自分を比べて自信を無くし、「どうせ私なんて」とスネてしまう。
  • 習い事で思い通りにいかないと、やる気をなくし「やめる」という。
  • 一度失敗すると、「次もうまくいかない」と心配してしまう。
  • 友達同士のグループ関係がうまくいかず、悩んでいる。
  • 不安になるとひとりで抱え込み、誰にも相談できない。

というものを挙げています。

親からしたら「そんなことくらいでくじけるなよ」と思いたくなるかもしれません。

しかし、これを大人がつまずく時と比較すると、子どもの大変さが分かりやすくなるとして、大人がつまずく例を挙げています。

  • 仕事で成果が出ず、気持ちが落ち込んで、しばらくクヨクヨしている。
  • 多忙とストレスで理由もなくイライラし、同僚や家族にキレかけることがある。
  • 仕事でチャレンジする場面で「自分には無理」と消極的にあきらめてしまう。
  • 同僚や同期と自分を比べて自信をなくし、「どうせ私なんて」とスネてしまう。
  • 仕事や人付き合いで思い通りにいかないと、やる気をなくしてしまう。一度仕事や人間関係で失敗すると、「次もうまくいかない」と心配してしまう。
  • 社内での派閥やグループ関係がうまくいかず、(対人関係で)悩んでいる。
  • 責任感が強く、将来の不安をひとりで抱え込み、誰にも相談できない。

このようなつまずきは、逆境を乗り越える力である「レジリエンス」を身につければ、ネガティブな気持ちを長引かせることなく、すぐに立ち直れるので、次の課題にチャレンジすることができるようになると書いています。

序章 レジリエンスとは?

レジリエンスには「回復力」「緩衝力」「適応力」の3つの側面があるということを挙げています。

そして、2021年度をめどに、大学入試の在り方が大きく変わることに触れ、子どもの勉強や進路にとっても、レジリエンスの中で「適応力」が重要な能力になると言っています。

第1章 「自尊心」を高める

  • 何かにチャレンジする場面で「自分には無理」と消極的にあきらめてしまう。
  • 友達や兄弟と比べて自信をなくし、「どうせ私なんて」とスネてしまう。
  • 長所を聞いても「ボクにはあまりないなあ」と答えてしまう。

このような傾向があれば自尊心がレジリエンスの強化ポイントになるそうです。

「高校生の心と体の健康に関する調査ー日本・アメリカ・中国・韓国の比較ー」で、「私は価値がある人間だと思う」という質問がされたことに触れています。

そして、韓国20%、中国42%、アメリカ57%が「そう思う」という答えを出しているにもかかわらず、日本はわずか8%しかいないみたいです。

どうやら日本人は諸外国と比べ自尊心を持っていない人が多いみたいです。

でも、なんで自尊心が必要なのでしょうか?自尊心が育てられると3つのメリットがあるみたいです。

  1. 幸福感
  2. ストレスや逆境においての緩衝力
  3. 抑うつ症状の防止

これらのメリットがあるなら自尊心を持っていたほうが絶対にいいですよね。

第2章 感情調節の方法を学ぶ

感情は「規制」するのではなく「調節」するのだそうです。

子どもに次のような傾向が見られたら、感情調節力をトレーニングしたほうがいいと書かれてあります。

  • 学校やスポーツで失敗をし落ち込んで、しばらくクヨクヨしている。
  • 理由もなくイライラし、友達にからかわれるとキレてケンカ寸前になる。
  • それほど動いたわけではないのに「あ~疲れた」が口癖になった。

怒りというネガティブな感情は攻撃という衝撃的な行動を生むのだそうです。そして、怒りは攻撃、恐れは逃避、不安は回避、悲しみは内向、恥は隠遁と関係しているのだそうです。

つまり、ネガティブな感情は、人に八つ当たりをしたり、暴力をふるったり、勉強をしなかったり、学校に行くのをやめたりするようになってしまうことにつながるのだそうです。

そうなるまえに、親が子どもに感情調節ができるように導いてあげれば親にとっても子供にとっても楽ですよね。

第3章 自己効力感を高める

  • 習い事やスポーツで思い通りにいかないと、やる気をなくし「やめる」という。
  • 難しい問題があると、途中であきらめてしまう。
  • 新しい課題になかなか挑戦しようとしない

このように、思い通りにいかず、つまずいてしまうのは「やればできる」という経験がなく、自己効力感が培われていない可能性が高いとのことです。

「やればできる!」の経験は本当に大切だと思います。その経験がないまま大人になれば、ほぼ間違いなく適当な人生を歩むと思います。

私は運よく高校になってから「やればできる」という経験をしました。だから、天職と思える塾講師をすることができています。

もし、高校の時に「やればできる」という経験をしていなければ、コンビニの深夜バイトで生計を立てるか、ブラック飲食店で店長になっていたかもしれません。

この章では、どうすれば自己効力感を身につけられるのか、分かりやすいアドバイスが書かれているので参考にしてください。

第4章 楽観性を高める

  • 一度失敗すると、「次もうまくいかない」と心配しがちだ。
  • 何か問題があると、「ボク / わたしのせい」と落ち込んでしまう。
  • うまくいかないことを悪い方向に大げさに考えてしまう。

このような行動があれば、悲観的な傾向があるみたいです。

楽観性が高ければ、リーダーになり様々な分野で成果を上げる可能性が高まったり、グローバル社会でも対応ができる人間になれるのだそうです。

また、悲観的な人と楽観的な人の思考傾向の違いを次のように書いています。

  • 悲観的な人は「私が悪い…」(内的)、楽観的な人は「原因はさまざまだ」(外的)
  • 悲観的な人は「悪いことは続く…」(持続的)、楽観的な人は「たまたまだ」(一時的)
  • 悲観的な人は「悪いことは広がる…」(拡大解釈)、楽観的な人は「この問題だけだ」(限定解釈)

思考の持ち方が違うだけで成功できるか成功できないかが変わってくるのだそうです。

第5章 人間関係の質を高める

子ども同士のつながりが希薄化しているからこそ親子のつながりは密にすべきなのだそうです。

今でも公園などで楽しく遊んでいる子供はたくさんいます。しかし、同じ部屋にいるのにスマホで会話をしたり、ゲームをするだけで会話が一切なし、という子どもも多くいます。

少なくとも20年・30年前とは対人関係の在り方は変わってきています。

本にも書かれていますが、対人関係の経験値が不足すると、意見の食い違いやトラブルがあったときに、うまく対処することができず、感情の調節も苦手になり、感情を押し殺して抑制するか、キレて爆発するか、極端な反応となることもあります。

ベビーカーを引きながら子どもの事を全く無視してスマホばかり触っている親を最近はよく見かけますが、あれは最悪だと思います。

まとめ

この本はとにかくお勧めです。「レジリエンスを鍛えること=子育ての在り方」とも言えます。

親が子どものことを思えば、すぐにでも実践することができることばかりです。

文章も分かりやすいので、3時間もあればザッと読むことができるはずです。気になるところは繰り返し読み、実践に生かしてください。

子育ての目次